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2005年11月22日

[映画] キル・ビル Vol.2

クエンティン・タランティーノ監督。
いやーこれは……。1は東洋の物語で、2は西部劇ってことなんだろうけど……。1本にまとめたほうがいいんじゃねえのっていうか、全体として見ると余計なエピソードが多かったかなという気がする。

棺桶を割るのは、虎砲(©修羅の門)っぽくてよかった。

2005年11月20日

[映画] コープス・ブライド

ティム・バートン監督。公式サイト
いいもん見たなー、という気持ちで映画館を出ることができた作品。オープニングとオチの蝶々とか、先が読めてしまうけれども綺麗で分かりやすい演出が好き。歓迎パーティーの歌も楽しい。全体的には小さくまとまってるんだけど、一晩のお話だからこれくらいのサイズがちょうどいいんだろな、と思った。

ちなみに見たのは六本木のVIRGIN。混んでたせいもあってか、やたらと暖かくて眠りそうになってしまった。寒いのよりはいいけど、暖かすぎるのも困りもん。

2005年11月19日

[映画] キル・ビル

クエンティン・タランティーノ監督。
好きなことをやりたい放題やった、子供のような映画であった。青葉屋のチャンバラは単純に楽しいし、千葉真一とユマ・サーマンの画面も笑えた。西洋人をここまでオカシナ奴にさせるジャパニーズ・カルチャーは素晴らしいと言うしかないではないか。

2005年10月29日

[映画] シン・シティ

ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー監督。公式サイト
ミッキー・ロークここにあり! ひさびさにいいヒーローを見た気分になった。

基本的に白黒で展開され、たまに赤や金などの印象的なカラーが入ってくる様は、まさにアメコミを読んでいるよう。CGも効果的に使われていて好感が持てた。音楽もカッコイイ。

暴力に次ぐ暴力には、ちょっと「ウッ」となったけれど、これは漫画的なメソッドなんだと言い聞かせて乗り越えた。格闘ゲームでも出そうな雰囲気がある。

2005年10月11日

[小説] 衛慧 - 上海ベイビー

真夏の明け方に遊ぶ花火のような小説であった。朦朧とした寂しさ。

思ったよりも読みやすかった。電車通勤の合間に読み、途切れ途切れになりながらも読了。あっちこっちで「過激な性描写!」ってあるから、どんなもんやと思っていたが、意外とフツーであった。中国ではこれくらいが発禁対象なのね。

翻訳物は原文の意図がとりづらくて、あまり興味がわかないことが多いのだけど、本作はなんとなく言いたいことが伝わってくる訳になっていると思う。言葉が共通の漢字文化だからだろうか。

2005年10月09日

[映画] マッハ!

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督。
おもしろい! ジャッキー・チェンの映画に影響されて、それを超えるべくのノン早回し、ノンワイヤー。非常に分かりやすいコンセプトが気持ちいい。実際のアクションも、その意気込みが伝わってくる充実の内容だった。トニー・ジャー、次回作も見たくなる男だ。

なお、こういう種類の映画では話の内容は二の次として見るのがやはり吉であるなぁと思った。

[映画] スーパーサイズ・ミー

モーガン・スパーロック監督。
ドキュメンタリーながら、途中であきさせないような工夫があちこちに散りばめられていて、単にエンターテインメントとして見ても楽しく見られるのがこの映画の素晴らしい点の1つだと思う。特に、ストーリーの区切りで挿入されるグラフィックは秀逸だ。

もちろん内容の良さは語るべくもない。「マックはこんなにも悪だ!」とヒステリックに攻撃をするのではなくて、あくまで客観的な視点で淡々と実験を続ける姿勢に胸を打たれる。2日目に速攻でリバースするところでは、どうなることかと思ったけれど…。

食生活の話で終わらせずに教育や経済に結び付けていくところあたりも、興味深い。

2005年10月01日

[映画] 殴者

須永秀明監督。公式サイト
画は好きな感じなんだけど、編集がいまいち理解できない。流れが分かりづらくなっているだけな気がする。登場人物があまり多くないので、話としては至極理解しやすい。

売りの格闘シーンは、PRIDEを見慣れている拙者からするとちょっと迫力不足であった。本気でやれってのは無理だってことくらいは分かる。けど、せっかく本物のファイターが出演するなら、もうちょっとなんとかしないと極端な話、Vシネマと変わりないよなぁと思った。過剰に挿入されるスローモーションも、いただけず。

唯一の見所は、桜庭の演技力。うまい! 引退後、俳優に転身してもイケる。

土曜日の昼2時の回だというのに客が20名弱という衝撃的な集客力をもつ映画であった。

2005年08月12日

[映画] スチームボーイ

大友克洋監督。公式サイト
がんばり過ぎたのか…。24億円の使い道を知りたいよ! ちょっと、2時間じっくり見るのが辛かった。

[映画] あゝ!一軒家プロレス

久保 直樹監督。公式サイト
よ、予想外におもしろかった…。テレビ屋さんの考えた映画という匂いはするけれど、よく嗅いでみるとイイ匂いだったな、と。二転三転する脚本も、まったく展開が読めないという意味ではかなり練られたものだと思う。

もったいないのは、ソニンの格闘シーン。よくできているのだから、もっと見たかった。橋本vsペタスはさすが。プロレスラー満載の映画って、なんだか和やかに見れるね。

2005年07月03日

[映画] 電車男

村上正典監督。http://www.nifty.com/denshaotoko/
お、おもしろかった…。原作をしっかり読んでいただけに、爆撃シーンになんだか感激してしまった。ここをきちんとフォローしたのはエライ。

オタクに関する描写も比較的リアルだったので、おそらく見る前の最大の心配がクリアされたことで魅力が数割り増しで見られたのだと思う。あと山田孝之におけるダメ男演技はすばらしいと思った。

しかし、それよりも、なによりも、この映画がすばらしいのは、中谷美紀様に「おかわりキボン」と言わせたことだ!!!

2005年07月02日

[映画] 戦国自衛隊1549

手塚昌明監督。http://www.sengoku1549.com/
まず、自衛隊を引っ張り出してきた、その気合いに賞賛を送りたい。が、それを生かし切れなかったのも、また事実と思う。原作の福井さんの言う、「年に一回も劇場に行かない人を呼び込む」という考え方には、非常に共感できるのだけれども、果たしてそれが実現できたか、と言うと(後出しになってしまうけど)できなかったように感じた。

なにが足りないかっていうと、自衛隊以外すべてと言いたくなるが、嶋大輔のアニキだけは格別であった。

2005年06月27日

[小説] 筒井 康隆 - ロートレック荘殺人事件

すいすいと読了したけれど、なにか物足りない感じ。中盤からラストにかけて、非常に筒井さんらしい展開ではあった。なんだろな、アイデアに突っ走りすぎたのだろうか。

2005年06月06日

[ノンフィクション] 金子 達仁 - 決戦前夜 Road to France

うーん、金子さん、コラムは好きだけど、長文は辛いかも…。もう少しインタビューなんかのエピソードを増やして、テンポ良くすれば読みやすくなるかな、と思った。
それでも金子さんしか書けないこともたくさんあって、勉強になった。

2005年06月05日

[漫画] 安野 モヨコ - シュガシュガルーン 3

まともに読んだ少女漫画は数えるほどしかないけど、これは紛れもなく少女漫画誌に残る名作だと言えよう! あの日、やたらと大人に見えた女の子たちの気持ちがよくわかる一冊(あ、なんか気持ち悪いな拙者)。

2005年05月26日

[小説] 筒井 康隆 - エディプスの恋人

どこまで行くんだ!という不条理さを楽しむ作品。展開が読めてしまうところもしばしばあったが、さすがにオチは秀逸で満足感はある。ただ、筒井ファンとしては物足りないものがあるのも事実かも…。

2005年05月01日

[映画] ドッジボール

ローソン・マーシャル・サーバー監督。日本語公式サイト
笑った! ベン・スティラーはさすが。リップ・トーンの役名「オフーリハン」が一番ウケた。極上ではないけど、無難に楽しめるコメディ映画だった。
なお、クリスティーン・テイラーがむちゃカワイイので、それだけで見る価値があると言えよう。

2005年04月26日

[エッセイ] 椎名 誠 - すっぽんの首

今すぐ旅に出たくなる一冊! と言ってもシーナさんの本は、どれを読んでも外に出たくなる。それだけのパワーを人に与えられるモノって、すごいと思う。

2005年03月23日

[小説] 村上 春樹 - 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)

至福の読後感。無駄がないということは、美しいということだ。

2005年03月13日

[映画] ドラゴンヘッド

飯田 譲治監督。http://www.dragonhead-movie.jp/
セットがメチャすごい。内容については映画より漫画(原作)を参照って感じだが。

2005年02月25日

[小説] 桐野 夏生 - OUT 下

うわー…、上巻の勢いから考えると、これは残念と言いたくなる最後のシーン…。自分の想像の範疇だったからか。逆に言うと、いろいろと想像を広げてしまう小説でもあったので、そういう意味では久々に興奮する物語であった。

もちろん、感想としては、最高!

2005年02月04日

[映画] ガタカ

アンドリュー・ニコル監督。
SさんよりDVDをお借りして鑑賞。不思議で美しい映画であった。不思議と言っても意味不明なわけではない。どことなく掴み所がありそうで掴むことができない、そもそも掴むことを許されないような世界が不思議なのだ。

日常の空にロケットが飛ぶ風景は、愉快そうである。

2004年12月26日

[小説] 桐野 夏生 - OUT 上

お、おもしろい…。上下巻を1巻にしていただき、一気に読みたい!

2004年11月21日

[小説] 宮部 みゆき - R.P.G.

上司に借りて読了。メール関係の技術的なつじつまはそこそこに合っていて、好感が持てた。しかし読後感としては、「うーん…」という気持ち。

拙者は、宮部氏の文章の魅力はやはり人物描写と会話だと思っていて、情景描写はどうでもいいくらいの位置づけなので、本作の細かい描写はどうも無駄に感じてしまった。

2004年11月06日

[映画] スウィングガールズ

矢口史靖監督。
ウォーターボーイズのまんまじゃんとか、なんで練習してないバックの女の子達がいきなり演奏できるようになってるんだとか、そういう都合の悪いことを横に置いて楽しむべき作品。キュートな映画であった。

しかしウォーターボーイズの涙に勝るものがなかったのも事実だなと思う。

2004年11月01日

[小説] 村上 春樹 - 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)

話の勢いがノッて来たところでシーンの転換があるので、序盤は少しイライラ。徐々に慣れてくると、それが快感になってくる。頭の中でイメージを展開させやすい小説。オモロ。

2004年08月08日

[映画] 茶の味

石井克人監督。公式ウェブサイト
キャストが全員絶妙で、1人としてハズレがいない。我修院達也の怪演は健在だし、子役は素晴らしい表情をしているし、三浦友和は存在感を感じさせないというものすごい存在感(あの親父は影がうすいことが存在感だ)。これまたプロの仕事を見てしまった。そこに庵野監督が出演(しかもかなりセリフ有)という隠し球が来るわけだから思わず「ウヒョー!」と叫びそうになった。

ところどころに挿入される夕日などの自然の画が、たしかにタルイと感じるときもあったけれど、そういうヌルい倦怠感も「茶の味」に含まれるのだろうなと思うと、なんとなく納得できた。やっぱり石井監督は偉才。

あとな、やっぱりな、土屋アンナはかわいいよ…。それはみんなに認めていただきたい。

2004年07月13日

[映画] 恋愛寫眞 Collage of our Life

堤幸彦監督。公式ウェブサイト
ミカンと電柱に引っかかった風船のエピソード以外は、お話がまったく心に引っかからなかった。話の整合性というよりも、作中でベタ誉めされる写真の上手さが理解できなくて付いていけなかったのである。単にキレイなだけの写真だな、と思った。それだけ。松田龍平も広末涼子も堤監督も好きなだけに、どうも悲しい。あ、もしやこれは静流の手がかりの写真に写っている人が、どうしても道端でこけた人に見えなかった拙者のひがみなのか…(言われて気づいた)。

銃弾の軌跡の表現は『溺れる魚』を思い出したが、この映画には明らかに合ってない。なぜここで?という疑問が沸くばかりだった。

小池栄子はいつも一皮剥けそうな雰囲気は醸し出すものの、あと一歩って感じですね。なにが足りないのだろう。バラエティでの立場も、役者としても好きだから彼女にはがんばっていただきたい。

けなしてばかりですが、ホントは堤ファンなんです。ケイゾクのDVD全巻持ってるんです。8mmの映像は美しかった。それだけに返す返すも悲しい。

2004年07月12日

[小説] 馳 星周 - 鎮魂歌 不夜城II

滝沢と秋生のストーリーがこれでもかというほど密接に絡まりあい、くんずほぐれつの欺きと裏切り、そして渦巻くヘヴィ・バイオレンス! とにかくドロドロ。でもそれが気持ちいい。

2004年07月11日

[映画] 東京ゴッドファーザーズ

今 敏監督。公式ウェブサイト
いいなーいいなー。エンドロールでムーンライダーズの『No.9』が流れたときは、部屋で一人っきりであるにも関わらず、思わず拍手してしまった。スバラシ。

なにより驚くのは背景の描きこみ。夜の街と公園をこれだけ美しく描けるとは…。DVDに入っているメイキングで、背景だけのレイヤーを見ることができるが、ハッキリ言ってこれだけでも売り物になる。実際の風景を元にして描いているだけに、背景だけを見ていると写真集に近い感じ。

しかしアレですね、アニメ映画における声優の立場はどんどん狭くなっていきますね。実際問題、江守さんも梅ちゃんも岡本綾も、主演クラスの俳優がみんなものすごくうまいものだから、どうしようもないのか。「声優」を名乗るなら、CD出したりラジオに出たりする前にキンキン声でキャーキャー言うしかない演技力をどうにかせえよと思うのですが、それはそれで一つの世界のこととして、そっとしておく。

2004年06月19日

[短編集] 鷺沢 萠 - 海の鳥・空の魚

90年代前半のあの香り。久しぶりに嗅いだらクラッときたけど、今もう一度嗅ぎたいとは思わない。

2004年06月13日

[映画] キューティーハニー

庵野秀明監督。http://www.cutiehoney.com/
まずは市川実日子最高…。そして、全俳優の個性炸裂でノックアウト。

原作の永井豪や、しりあがり寿、倖田來未なんかがチラッと出ていたりする。普通の原作モノでこういうことをやると興ざめしてしまうのだけど、これを自然に受け入れられるのがこの映画の素晴らしいところだと思う。地下道らしきところでセグウェイに乗るシーンもしかり。本編には全然関係なくても許せる空気がある。

オープニングも非常にイイ。今さら思い出したけど、テレビから派生したアニメ映画って、必ず最初に主題歌が流れるんだよね。しかも歌が流れている最中のアニメは、テレビと違ってグレードアップされているもの。子供の頃に見た東映の夏休み映画って、こういうドキドキを大切にしていたんだなーと懐かしむことができた。

海ほたるがムチャクチャに爆破されるシーンは、個人的にもんのすごく可笑しかったんだけど、客の反応は今ひとつのようだったのが無念。普通の爆破シーンだと受け止めていたようだ。あれは明らかな演出だと思ったんだけどなぁ…。

もちろん苦言を呈したい点もある。戦闘モードのハニーの衣装で、恐らくデザインの時点では肌の露出を想定していたであろう部分が、すべて肌色の布で覆われている。これがアップの時に目立つ目立つ。もっと過激に露出しているシーンもあるのに、なぜここだけ布なんだろうか。せめてもうちょっとタイトなタイツとかにして欲しかった。

これに気づいてから、なんとなく流れで目をつぶることができていた説明シーンでのサトエリの素人くささ漂う演技が急に鼻につくようになってしまった。戦闘シーンでの演技は良かったんだけれども、布で全部ふっとぶ。

しかし兎にも角にも市川実日子最高…。

2004年06月03日

[対談集] 阿川 佐和子 - 阿川佐和子のこの人に会いたい

『週刊文春』で連載している対談のベスト版。H Jungle with Tをやっている頃の小室や、生前の勝新、馬場などが収録されていて、文庫としてはかなり貴重で、価値のあるものになっていると思う。小室が「プロデュースしてる相手は、恋愛対象にはなりにくいですね」と語ってるのには笑った。

2004年06月01日

[映画] ポワゾン

マイケル・クリストファー監督。
かなり眠まりながら見たせいか、「ダラダラダラダラやってんじゃねえよタコ!!」と叫びたくなるほど長く感じる映画であった。ジョリーのお体はご立派。

2004年05月30日

[映画] 竜馬の妻とその夫と愛人

市川 準監督。http://www.ryoma.so-net.ne.jp/
セットがすごい! 拙者はセットで撮影された映像は明らかに嘘臭くてあまり好きではないが、この作品のセットには驚いた。家に、酒場に、そして道に生活の空気があるセットだ。

そして、この映画では何よりも中井貴一という役者は素晴らしい、という点を激しく主張しておきたい。拙者にとって中井貴一は、そういう顔でもないのになぜかテレビのトレンディドラマ(言い方も内容も今や絶滅寸前だが)に出ている人、というくらいの認識しかなかった。だが本作では、役者とはこうだ!というプロの演技をまざまざと見せられ、ノックアウト。もうほんと今まで大した認識もなくてすいませんでした。

まだまだ褒めたいけど、各分野の一流のプロフェッショナルが集まって作られているスバラシ映画なので、拙者のような小市民が褒めても仕方ない。とにかく見るべし。

2004年05月29日

[映画] 魔界転生

平山 秀幸監督。http://www.makai.jp/
うーん…。戦闘シーンがなんだか物足りない。麻生久美子が無言で天草四郎に殺されるシーンは美しかった。

2004年05月18日

[短編集] 村上 春樹 - 神の子どもたちはみな踊る

フレーズとして「おお」と興奮することはあったけど、全体としてはなんだか薄い印象。最初のノリについていけなかったのが敗因だろうか。

2004年05月17日

[映画] ベッカムに恋して

グリーダ・チャーダ監督。http://www.albatros-film.com/movie/beckham/
おもしろい! この映画は決してサッカーファンのためだけではなく、おしゃれな女の子のためだけでもなく、ましてやベッカムファンのためだけに作られたものではない!

青春映画ってなんだか無条件にすべてを許したくなってしまう拙者であるが、この映画は特にすべてを受け入れられた。この映画を見て、サッカーシーンの技術が低いだとか、なんでベッカムなんだとか、つまらない批判をしてはいけない。そこにあるのは偉大なプレイヤーに対する尊敬と、憧れと、そうなりたいという純粋な夢だ。もちろん、ジェスの憧れの対象がたまたまベッカムだっただけで、別にその相手はルーニーでもスコールズでも(アシュレイ)コールでもシーマンでも(笑)良かったわけではあるけど、この中で一番画になるのはどう見てもベッカムだろう。

しかしジュールズ役のキーラ・ナイトレイってかわいいなぁと思っていたら、公式サイトで1983年生まれということが発覚した。年下かよ…。拙者も映画女優に年下が出てくるような年齢になってしまった。はぁ。まぁとにかくかわいい。

あ、許せないところが一つあった。原題に対して、邦題が意味を曲げすぎ。宣伝のためとはいえ、こういうところまで捻じ曲げてしまうのは、配給会社としてどうよどうよどうなのよ。

2004年05月11日

[映画] 黄泉がえり

塩田 明彦監督。http://www.toho.co.jp/movie-press/yomigaeri_press/
テレビと映画というものは、そう簡単に相容れない。どう見てもテレビドラマでやるべきの内容を、フィルムとテレビ中心の俳優とで見せることへの違和感と無理さ加減を終始感じた。

映画がエライとかテレビは安っぽいとかそういう話ではなくて、哀川翔と極楽山本を同じ画面で捉えるのはどう考えても辛い、ということ。特に哀川翔がヤクザ系以外の比較的シリアスな演技をしているときの上手さといったらなくて、生半可な俳優を並べても画が持たないとも思う。まぁ山本さんは個人的に芸人として大好きなので、真剣な演技をしていても笑ってしまうのだが。

そういうことを横に置いておいても、無意味かつペイされないシャドーニングの数々には苦笑。なぜこういう本or演出になってるのかは、まったく謎。

結論としては、どうでもいいですよ(©だいたひかる)。ちなみになぜかゲームにもなっているようである。

2004年05月04日

[映画] イノセンス

押井 守監督。http://www.innocence-movie.jp/
前作『攻殻機動隊』で引いた基準線に沿って、あまりはみ出さないように丁寧に線をなぞったイメージだった。引っ張りに引っ張ったあとの戦闘シーンをもっと見たい。

一番残念なのは、いい映画を見終わったあとの気持ちの揺さぶりがほとんどなかったこと。挿入歌の『Follow Me』が一番感動的だった。何遍も見返さないと理解できないのってツライ。

2004年04月23日

[エッセイ] ナンシー 関 - テレビ消灯時間

なんだか子どものまま大人になったような人だなあと思った。消しゴム版画という手法にも、ノスタルジーを感じる。

2004年04月15日

[小説] 沢木 耕太郎 - 血の味

沢木を読むときにいつも思うのは、中学生くらいの頃に彼の作品に触れていたかったということ。

ありそうでなさそうな少し異質な世界に引きずり込まれていきながら、少年時代に感じた意味のない焦りや怒りを思い返すたび、あの日の自分に何かを伝えたくなる。だが、拙者には自分自身に何を伝えたいのか、はっきりとは分からないのだ……(沢木風)。

2004年04月08日

[映画] グッバイ、レーニン!

ヴォルフガング・ベッカー監督。http://www.gaga.ne.jp/lenin/
イイ! 見終わったあと、「良い映画を見たなぁ」という思いに包まれる映画。本も役者も演出も音楽もすべてがピッタリとあっていた。ラストもめちゃくちゃに切ない。

国とはなにか、資本主義とは、社会主義とはなにか、人を本当に幸せにするものとはなにか……とにかく言うことなし。

2004年04月07日

[映画] 千年女優

今 敏監督。
ほとんど予備知識のないまま見たが、3Dがすごく自然に取り入れられていて興味深かった。デジタルで作られたアニメーションは、セルアニメを見続けている目にはどうしても不自然に映るもんだと思っていたが、ほとんど違和感なし。お話もよくできていて、女優の「自分が好き」という言葉にも重みがある。

今監督の他作品では、『PERFECT BLUE』を高校生のときビデオで見た。当時は「おー画がすげーふーん」という感じでぼんやり見ていたが、今見直すともっとおもしろく感じられるというか、きちんと見るべきところが見えたりするだろうか。

2004年04月06日

[対談集] 村上 龍 & 中田 英寿 - 文体とパスの精度

うーん……。2人とも好きなんですけど……。読み進むにつれて、なんだか辛くなってくるのはなぜ?

2004年04月05日

[エッセイ] トニー・クロスビー - リヴァプールより悪意をこめて

友達に借りて読了。イングランドの庶民文化がよく理解できて、おもしろい。拙者はトニーの事をただのおもろい外人だと思っていたが、ちゃんとデザイナー・スタイリストという本職があることを知って驚いた。絵もうまいじゃないか~。おもろいだけではなかったのね。

しかし、イングランド人にとってオーウェンは本当にヒーローなんだなぁと思った。日本にもそういうFWが……欲しい。結局、エメルソンの帰化に期待をしてしまう自分が悲しい。

2004年04月03日

[小説] 山田 太一 - 異人たちとの夏

よく名作だと言われる『ふぞろいの林檎たち』は、拙者の世代と少しズレている。そのため、まともに山田太一脚本のテレビドラマを見たことはなかったが、この前テレ朝の開局45周年記念でやっていたドラマ『それからの日々』で初めて山田太一と出会った。

結論から言うと、ドラマも、この本もおもしろい。繊細に描き出される人間関係や、場面設定が秀逸なのは言うまでもないが、なによりも素晴らしいと思ったのは話とセリフのリアルさ。

どうでもいい作り話が氾濫している世の中で、今「リアルである」ということは、相当に難しいのではないだろうか。それが本来のドラマのおもしろさであるとは思うが。

2004年03月20日

[映画] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

原 惠一監督。
「いやーおもしろかったですよ原さん!」と思わず監督に知り合い口調で謝辞を述べたくなった。大人も子供も楽しめる正しい春休み日本アニメーションの形という気がする。
期待せずに見たせいか、『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』よりもおもしろかったなぁ。

2004年03月19日

[小説] 筒井 康隆 - ガスパールの朝

おもろい。いわゆる読者参加型の作品に、読者や作家自身(正確にはその分身)が出てきたり、世界と世界を行き来するというルールを当てはめたりというのは、国内でも手法としてはありそうな気がする。

しかし、それを「おもしろく」仕上げられるというところに、筒井作品の魅力があるのだなあと思った。

2004年03月15日

[映画] ストランデッド

ルナ監督。
ギャロ主演ということで鑑賞。やはり映画は俳優で見てはいけないな…と嫌な汗をかきながら思った。お話とか演出とか、とにかくすべてが的を外していて、端的にいうとつまらない映画。こういう映画に自分の好きな俳優やスタッフが関わっていると、非常に残念な思いをする。

さらに、宇宙ものにも関わらず、出てくるキャストがとても宇宙飛行士には見えないという致命的な問題を抱えている。『シュート!』におけるSMAP的な恥ずかしさ。しかし、その恥ずかしいアイドルサッカー映画を劇場で見た当時中学生の拙者も十分恥ずかしいわけだけど。

2004年03月11日

[映画] S.W.A.T.

クラーク・ジョンソン監督。http://www.swat-movie.jp/
最初こそ、特殊部隊モノらしい展開で「おお!おお!」という展開の連続だったが、だんだんとペースダウンしていき、途中から見る気をなくしていく映画。後半なんて、画面が暗すぎてほとんど何が起こってるか分からなかった。こんなんS.W.A.T.じゃない!
だいたいアッサリ捕まって自分ではなーんもできん麻薬王がカッコ悪すぎる。悲しい。

2004年02月28日

[小説] 村上 龍 - 希望の国のエクソダス

いまだにこの小説が当時メディアにもてはやされていた理由が分からないまま読了。これがドラゴン村上の迷走ってやつかしら。

2004年02月04日

[映画] うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

押井 守監督。
初めて見た押井作品は、たしか劇場版『機動警察パトレイバー』だった(ほとんど話を覚えていないが)。それからここ数年、彼が脚本や監督を担当した作品をいくつか見てきたが、押井守という人物がアニメーション界で大物として扱われる、これといった理由は見当たらなかった。

昨今、押井氏は「枯れた」とか「天才ではない」などと揶揄されているが、やはり本作や『攻殻機動隊』が日本アニメーション史における重要な作品であったことは間違いないし、これからもあり続けることである。もちろん、これは拙者が言うまでのことでもない。

誰もが、「自分が死んだらどうなるんだろう」ということを小さい頃に考えたことがあると思う。拙者は、「死んでしまったらもう『ドラえもん』は見られないのか…」と本気で落胆したことがある。毎週金曜夜7時に絶対見ている番組を、もう二度と見られなくなる。それは子供にとって死を身近なものに感じるためのいいきっかけだったと思う。

『ドラえもん』でのび太は死んだりしないし、『うる星やつら』であたるとラムが結婚するようなことはない。だが、偉大な作家は、ときどき気まぐれだ。誰もが想像し得なかった、ドラえもんが未来へ帰る(※)ことや、本作のように永遠に繰り返される仮想世界に登場人物たち自身が気づくことなど、予定調和を期待して見ている人をドキドキさせるようなことを稀に仕掛けてくる。

そのとき、拙者は子供の頃に感じた『ドラえもん』の終わりと死の感覚を思い出し、軽い身震いをするのである。さて、来月公開のイノセンスは、どんな感情を沸き起こさせてくれるのか楽しみだ。

※ 単行本『ドラえもん』6巻に収録の「さようなら、ドラえもん」参照。一時期ネットで流行したドラえもんの最終話しか知らない人は、ぜひ読んでほしい。当時、小学校2年生の拙者は読むたびに泣いていた。あのとき、自分をのび太に重ね合わせるという、数少ないのび太への感情移入が行われていたように思う。

2003年12月26日

[短編集] 筒井 康隆 - 腹立半分日記

振り返ってみると、この本買ってから読破まで約半年かかっていたりした。実際に読んでいる期間はもっと短いけど、それだけ本を読む時間が減っているということだろう。実にイカン。

2003年12月21日

[映画] マトリックス レボリューションズ

お話については、もはや公開される前からなんとなく想像したとおりだったので、逆に違和感はなく見ることができた。

それよりも今回も出るわ出るわ新キャラの嵐。映画の続編を作るとき、すでに死んでしまったり、何らかの理由でいなくなってしまったキャラクターの代わりにまったく新しい誰かを登場させることはよくあるけど、これがいわゆる続編のジンクスに深く関与しているのではないかと思う。

まず続編が作られる映画というのは、ある程度観客に受け入れられた作品だということが言える。そのような作品に触れた人たちは、自分の脳内でその作品は「こうあるべきだ」あるいは「こうあって欲しい」という一つの基準を作る。そして期待された続編で、自分が思い描いていた世界観や人間関係に、いきなり土足で踏み込んでくる新キャラクターを受け入れられなくなる。

少し残酷なような気もするけれど、ここが続編モノの難しさだと思う。今回のマトリックスで言うと、トレインマンやらサティーなど、「なんでこんな重要なキャラが今まで出てこないのか」という人たちがガックシしてしまう原因の一つではなかろうか。それはさておきミフネ船長は男臭くてカッコ良かったわけだが。

全然内容とは関係ないことを書いてしまったけど、後半のネオvsスミスには今回も大笑いしたことを記して、良しとしていただきたい。

2003年11月20日

[エッセイ] 椎名 誠 - ロシアにおけるニタリノフの便座について

各地の祭りの話を読んで、地元の祭りを思い出した。祭りの出店といえば、誰もが焼きそば、たこ焼き、フライドポテト、クレープと色々とあったなぁと思い出すことだろうけど、拙者が何よりも最初に思い出すのはハンバーグの出店である。

これまで、どんなに拙者以外の地方出身者に聞いてもハンバーグの出店があったという話を聞かないが、とにかく地元の祭りには確かにあった。1個150円で、串にハンバーグそのものがブスリと刺さったものを鉄板で焼いてもらえるのである。そのままでも肉汁たっぷりでウマイのだけど、なによりもこのハンバーグの魅力は、ケチャップ、マヨネーズ、そしてオタフクのお好みソースがどれでも好きなだけ付けてよし!という驚愕の味付けバイキング制度をとっていたことである。

そもそも拙者の田舎は、当時はファミレスもコンビニもないようなところだったので、テレビで見たりする「○○放題」という言葉が現実に訪れたという事実だけでも、無性にドキドキしてしまうほどであった。そこで編み出された技が、ハンバーグの1面にたっぷりとお好みソースを塗り、さらに裏面にケチャップをこれまたたんまりと塗り、極め付けにハンバーグの厚みを利用して楕円形の円周部分にマヨネーズを零れ落ちそうなほど塗りたくる、というものだった。

あの狂ったように味の濃いハンバーグは、今になっても忘れられないなぁと思った。

2003年11月15日

[映画] 人狼

沖浦 啓之監督。
でもどうしても押井 守監督、と書きたくなる世界観。現実逃避しに来てるのにおも~い政治ドラマ見せられてもな…。AVALONといい、今作といい、どうも辛い。
スゲーと思ったのはアニメーションと外しまくったヒロインの声くらいで、最近映画を見てスゲーと思うのは本編とは全然関係ないところばっかりだなぁと思った。

2003年11月10日

[小説] ロバート・A・ハインライン - 夏への扉

日記に書いていないだけで、実は何冊も読破していたりするのだけど、読後の感想も書き留めておかないと忘れてしまうのでなるべくまとめておくようにしようと改めて思った。

というわけで珍しく海外作品。拙者が海外の小説を避ける最大の理由のひとつに、訳が入らないと読めない、という当たり前の理由が挙げられる。当たり前だけど、これはものすごく重要なファクターである。拙者は洋楽も洋画も見るが、音楽はどの民族でも使われている楽器・リズムがある程度確立されていて、それなりに言葉を気にしなくてもメロディは頭に入ってくる。映画には映像がある。なにより字幕の関係上、難しい言葉もよく考えられた上で訳されている。それに比べて小説の訳はどうもレベルが低いのである。

この小説も、その嫌な点がモロにヒットしてしまっている作品で、本当に訳がダメダメ。1979年作品ということを考えればしょうがないことなのは分かっているけれど、やはり辛いものがある。でも、SFとして努力して読み取れば、ど真ん中の王道を行っていて、気持ちよし。

2003年11月01日

[映画] 陰陽師

滝田 洋二郎監督。http://www.onmyoji-movie.com/onmyoji1/main/
あとで振り返ってみると、キャストが豪華だったことに気づく。今井 絵理子以外はみんなイイ演技だったなぁ。
アクション大作って言うのにはちょっと…と思うけど、昔見たゴジラなんかの東映映画にある特撮のいい匂いみたいなものは感じた。CGもたまに「え、今どきこんな?」というクオリティのカットもあったが、全般的には実写の支えに徹していて好感が持てる。

2003年10月07日

[小説] ねじめ 正一 - 熱血じじいが行く

半ノンフィクション青春野球小説。じいさんたちの描写が「さあ笑え!orさあ憎め!」という感じでどうも受け付けないのを除けば楽しい。いい仕事をしても評価されない外国人というのは、いつの時代でもいるのだなぁと思った。悲しいことである。

2003年09月22日

[映画] ウォーターボーイズ

矢口 史靖監督。http://www.altamira.jp/waterboys/
劇場で見たのもあわせると、見るのは3回目くらい。何度見ても笑えるところは笑えるし、美しいところは美しい。

特に、文化祭前日の火事のシーンで、消防車のホースを追って走る主人公(妻夫木)をカメラがフォローするところは、思わず「カメラうめぇ!」とうなってしまう。矢口監督の特徴なのか、撮影監督の特徴なのかはわからないが、作品中には同じようなカメラの使い方をする箇所がいくつかあった。

でも、なによりエンディングの俳優の涙が、この映画の素晴らしさを一番表していると思う。アクションはナマが一番。

2003年09月06日

[映画] HERO

チャン・イーモウ監督。http://www.hero-movie.jp/
ウェブサイトを見ていてなんとなーくイヤな予感はしていたのだが、ズバリ的中。期待していたCGは、TV CMで見たインパクトがなく、とてもマトリックスと肩を張れるようなものとは思えない。

でもまぁ、それはマジメに見ればのお話で、ハリウッド系列と同じような目で見れば楽しく見られる。矢の量とか尋常じゃないので、映画館で一人爆笑。みんななんでこれで笑わないんだ? でもやっぱりアクションがおかしい。明らかにカットがまったくつながってないよなー、これは。「剣は書だ」なノリは好きだけど、脚本があまりに退屈であくび連発。

ジェット・リーのサル顔真面目アクションは笑えた。あと皇帝好き。真意に気づいたときの顔がたまらん。

2003年09月02日

[映画] ベンゴ

トニー・ガトリフ監督。
アンダルシアという地を初めて実写の映像で見たが、これを見るといかに『茄子 アンダルシアの夏』がうまくアンダルシアを表せていたかが分かる。

他の映画のことはさておき、このベンゴ。同居人から借りたDVDで見たので前情報は皆無だった。しかし内容は、仁義と自由に生きるジプシー、熱い血がたぎるフラメンコ! リズムを刻まなければいられないけれども、こいつはただの音楽映画ではない。壮大なる愛の物語だ。

それにしても主演のアントニオ・カナーレスは本職がフラメンコのダンサーだと言うが、こんなにカッコよすぎていいのか!?

2003年08月31日

[映画] アカルイミライ

黒沢 清監督。http://www.uplink.co.jp/brightfuture/
冒頭から「なんだか色が安定しないなぁ」「ビデオっぽいなぁ」と思いながら見ていたが、あとで24pのハイビジョン撮影と家庭用のデジタルビデオが混ざったものだと知り納得。試行錯誤していた感は否めないが、画としては好みな感じで嬉しい。こういう鑑賞上のハプニング的出来事が好きなので、映画は事前にストーリーなんかの下調べをせずに見るのが好きである。

んで。まず、出てくる人間すべての衣装がイチイチ主張しすぎて(あえてオシャレとは言わない)おり、貧乏なのにこんな服買えるわけないだろ!という違和感があった。けれども演技面ではものすごいリアリティが出ていて無性にドキドキ。こういう空気感を出せる力の源っていうのはなんなんだろう。

僕はあまりミライのことに関しては考えない人だけど、自分の生き方に関してはひとつの基準がある。「楽しい」かどうかだ。そしてアカルイミライに続いていく楽しさであるかどうかだ。それは、新聞の投書欄で団塊の世代がよく言っているような「ひとときの快楽うんぬん」という類のものではもちろんない。

ミライは今があってこそのものであるし、ミライをないがしろに今を生きると、結局ミライをアカルイものにすることはできない。

2003年08月30日

[映画] トゥルーマンショー

ピーター・ウィアー監督。
あー、こういうのやっぱ考えるよねー、でも確かに映像化しようってやつは誰もいなかったかもなー、うんうんなるほどと思っていたら、ウェブ上では意外と「斬新なストーリー!」という評価になっているようだ。拙者がSFな頭をしているのか?

実際に見ると、最初の脚本への感心が持続するまでが花、という印象。思いついたときの「ノリ」がマズイ方向に発展・消化してしまったなぁと感じた。この話ならもっとおもしろくなるのに、と思う。

ところで、トゥルーマンショーのような映画を作って、本当のトゥルーマンを安心させているっていう説を考えたことがあるだろうか。実は拙者がトゥルーマンなのかもしれない。ていうかこんな私生活丸出しな日記を書いている時点で、じゅうぶんトゥルーマンなわけだが。

2003年08月14日

[映画] パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

ゴア・ヴァービンスキー監督。http://www.movies.co.jp/pirates/
ジョニー・デップ(・∀・)イイ! 女性に平手打ちをくらうシーンだけはアメリカ的笑いのために「やらされている」感が出ていたが、セットアップやチャンバラ(海賊でもチャンバラて言うのかな)シーンでは絶妙の演技を見せてくれる。
お話は少々タルイけれども、ホラーとコメディの要素が存分に散りばめられたアクションは最高。しかしCGを自然にやろうとすればするほど「CG」っぽくなってしまうのは、回避できないことなのかな、と疑問の残る作品であった。常に実写のために尽くすというのが映画におけるCGの正しいあり方なのだろうけど。

2003年08月13日

[映画] X-MEN

Bryan Singer監督。
見終わったあとにキャストの名前を見直していたら、ストームはハル・ベリーだということに今さら気づく。アカデミー賞の女優がX-MENに出てるってのは痛快だなー。
それはさておき、拙者は原作を読んだことがないのでなんとも言えない感じ。ウルヴァリン以外はほとんどやられっぱなしなのが、辛い。ミッドポイントなく終わってしまったというか。これならミュータントタートルズのほうがおもろいような。

2003年08月05日

[映画] 茄子 アンダルシアの夏

高坂 希太郎監督。http://www.nasu-summer.com/
むぐぐ、これが原作モノの難しいところなのか。果たして原作を(ほぼ)なぞっただけの映画というのは、意味があるのかどうか。しかも当然だが、原作者の漫画すべてに漂う「現実にはありえない現実感」が感じられなかった。テレビのコードがひっかかるとか、牛の看板に敬礼するとか、そういう演出もいちいち鼻にひっかかってしまう。そうではない!違う!と言ってしまいたくなる。
映画がきっかけで少しは知名度が上がるといいけれど、漫画を読まずに映画を見た人は消化不良で終わるだろうなぁという感想。
自転車がバリバリ動いていることには感激したけど、上半身アップのカットが続くとすぐに「手抜き?」と思ってしまうのが苦しい。でも47分の映画を\1,000で見る、という行為には満足。

2003年08月03日

[映画] ジョンQ -最後の決断-

ニック・カサヴェテス監督。
DVDで鑑賞。やたらと泣けた泣けた、というTV CMが流れていた記憶があるので、あまり期待せずに臨んだがやはりガックシな映画。評判がいいオヤジのわりに、行動がとても正常とは思えない。結局、子供に「金を貯めろ」なんて言い始める始末。嫁さんと子供があるのなら、バイトでもなんでも働いとけばえかったじゃないか。エッ!
医療問題に世間の目を向けた点も結果的にそうなっただけだしなぁ。

2003年07月31日

[短編集] 筒井 康隆 - あるいは酒でいっぱいの海

いつもの調子で読んでいったら、だんだんと新しい筒井ワールドに引きずりこまれてしまった。『睡魔のいる夏』が、美しく悲しい傑作。果たして僕が抵抗のしようのない死を迎えることになったら、最後までこのような生き方をできるだろうか。
死ぬまで、自分の生き方というものを考えていくのかもしれないなと思った。

2003年07月29日

[映画] マトリックス リローデッド

ラリー&アンディ・ウォシャウスキー監督。
みんなシュパッシュパッドギャーン!カッコイイ!を期待して見たと思うのだけど、「カッコイイ!」の部分が「笑える!」になっておるというどんでん返しムービー。お話なんてどうでもよくて、素直に世界最高峰(本日現在)のCG技術と撮影技術を楽しむのだ!
関係ないけど、ただの人間であるモーフィアスが日本刀でトラックを切断するシーンは、ルパン三世的だなあと思った。

2003年07月24日

[短編映像] GROOVISIONS - GRV1778

どうしてデザイナーな人々が映像をやると、走査線を無視したような作りをするのだろう。単に無知なのか、狙いなのか。どうしても無知なだけに思えてきて、悲しくなる。せっかくのグラフィックが、ソリッドな線が、ブニャブニャ。
褒めるべき点は音楽。

2003年07月17日

[短編集] 群 ようこ - あたしが帰る家

拙者の両親も仲が悪かった、というか悪くて離婚したのだけれども、その子供である拙者は二人のことについてはあまり関心を抱いていなかったためか、あまり心苦しかった記憶がない。

今振り返ってみると、「こりゃひでえなあ」と言いたくなるようなケンカばかりの日々だったけど、子供の拙者はそんなことによりも、今日は一人でどういう遊びをするか、ということのほうが大事だったような気がする。

[小説] 乃南 アサ - 5年目の魔女

前回読んだ初・乃南 アサ(冷たい誘惑)がいたくおもしろかったので、期待して読んだのだが、どうもピントが合わない。まったく興味のわかないことについて2時間ほど語られた気分になってしまった。

[映画] ANIMATRIX

アンディ・ジョーンズ、前田 真宏、渡辺 信一郎、川尻 善昭、小池 健、森本 晃司、ピーター・チョン監督。
「ボクたち何年も前から考えてたんです、いやぁヒットしてよかったなぁ」というツラをした壮大なお金儲け計画の一環に見えて仕方ないこの作品。それはそれとして、アンディ・ジョーンズ監督のFinal Flight of the Osiris以外は、本筋とまったく関係ないお話のようでガックリ。これなら同じ予算と同じ監督で、ショートフィルム集作ったほうがおもしろそう。
さらにそれはそれとして、小池 健監督のWorld Recordの筋肉の動きには感嘆するばかりであった。肉離れ(?)の瞬間なんかは、思わず顔をしかめてしまう。オチもうまい。

2003年07月08日

[エッセイ] 椎名 誠 - かつをぶしの時代なのだ

そうだそうだ、そうなのだ。日本男児ならば、ダイコンオロシ・葱・生姜、そしてかつをぶしの絶対ウマーカルテットは見逃すべきではないのだ! そういうわけで本日の夕食は、冷やしおろしうどんを召し上がった拙者であった。残念ながらかつをぶしはない。

2003年07月02日

[短編集] 筒井 康隆 - くたばれPTA

「酔いどれの帰宅」の最後のくだりにゴツッと鈍器で打たれたような衝撃を受ける。さらに頭皮をバールのようなものでこじ開けられた感覚。ざま見た。