2004年10月02日
オキ日記 : このソフト欲しい
気づけばICCの企画展が終了間際だったので、同居人のharuさんと共にオペラシティへ行く。なんかICCに行くたびにharuさんと行っている気がする。前回は全体的にパッとしなかったので、今回は期待して。
入っていきなり、会場全体が暗くてドキドキ。「会場デザイン」はクラインダイサムアーキテクツ。1ファンの拙者としては、どういう風に来るのか妄想しながら来たわけだが、これが本当に素晴らしい仕事ぶり!
会場中には、同じ場所に照明を当て続けると、光がなくなったときにそこに在ったモノの形がぼんやりと光を放つという特殊な素材が張り巡らされていた。例えばその素材の上に手を置いて、上からライトで照らす。10秒くらいじっと待ってからライトを消す。そして手を離すと、素材には手の形が残ってぼんやりと光る。しばらくすると、手の形は徐々に消えていく。光量が強ければ強いほどモノの形はクッキリと、強く残るようになっている。
ここだけ捉えると単なる仕掛けのように思えるが、この素材が会場の床や壁、机に至るまでそこかしこに張られている状況である。あっちこっちで手の形を残してみたり、鍵の形を残してみたり、はたまた素早く指を動かして文字を書いてみたりしている人々がいる。これが幻想的かつ会場に訪れた人同士による言葉のないコミュニケーションを見事に実現していると言えよう。すげえな、クラインダイサムアーキテクツ。
で、展示。リアクティビティということでtomato関連の展示なのかと思ったら全然そんなことはなかった。エキソニモは相変わらず最高だったんだけど、今回の注目はやはりアミット・ピタル。
まず彼の作品が展示してある部屋の前には、アミット自身が作品をどうやって楽しむのかという説明をしたデモ映像が流れている。通常のソフトウェア製品では当たり前のことなんだけど、メディアアートでは省略されがちな手順を丁寧にやっていることに好感を持つ。部屋に入ると、「簡単な線画から3Dのアニメーションとサウンドを生成させることができる」装置がぽつんと置いてある。その前には大きな画面がプロジェクタで投影されている。線画は液晶ペンタブレットで描くようになっていて、Flashのブラシツールをタブレットで使ったときとほぼ同じ感触で描ける。これが楽しい。描いた瞬間から「ブニグニュー」というような言葉では表現できない音が発せられてたまらん。誰かが作っていそうで作っていないというのがポイントだと思った。このソフト欲しいなぁ。
他にもportable[k]ommunityなど注目すべき作家がたくさんいて充実した時間を過ごす。
帰りがけに新宿ヨドバシでいろいろ買い物したあと、代々木の中華居酒屋で軽く飲む。中華はうまかったが、やかましい学生集団のせいで店の雰囲気ぶち壊しであった。ちょっとイラついて帰宅。