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2004年02月08日

オキ日記 : ピンコピンコ

レベルX』が最終日ということなので、見に行く。休日は混むよ、と各所で書かれているので、ある程度は覚悟していたが、昼過ぎの時点で1時間待ちの状態。地下の展示場でやってるのに1時間待ちってどこで待ってるのよ?と思ったら、皆さん階段で並ばれていました。3階あたりまでグルグルと。

しかしまぁ、ファミコンミニをプレイしながら待っている人も何人かいたりして、予習に余念がない状況というか。ヲタばっかりじゃないのか、と思っていたら、意外と一般的な客層で驚く。それどころか、カメラを肩からぶら下げてアート系の格好をしたお兄さんや、休日を利用して来ました子連れファミリーでも来たがったのはワシなんですムフフ的お父さんなどもいたりする。

改めてファミコンの偉大さを思い知る。ファミコン以後、プレイステーションやらゲームキューブやら様々なコンシューマゲーム機が発売されているが、いまだに年配の方はすべてのゲーム機を「ファミコン」と呼んだりするのは伊達じゃないんだな、と(単に覚えられないだけだろうが)。

ちなみに拙者の父親は、いつまで経ってもファミコンという固有名詞を覚えられず、ビデオゲームを総称して「ピンコピンコ」と呼んでいた。泉ピン子みたいだからやめろよと思った。

さて、1時間待って会場に入ると、客がでっかいスクリーンで『スーパーマリオブラザーズ』をプレイ中。…ぐおお、懐かしい! 一気に小学生の頃を思い出す。その客は、次々とステージをクリアしていく。「やり込んでますよ僕は、フフン」と言いたげな魅せるプレイ。うまい。あっという間にクッパを倒してゲームクリアすると、場内は「オオー」という歓声とともに惜しみない拍手に包まれた。うーん、なんじゃこりゃ。

会場内では、やはりというか当然というか、「このゲーム懐かしい!」とか「あのソフトを買ってもらえなくてさぁ…」とかいう思い出話があちらこちらで花咲いている。拙者も最初はそういう気持ちになっていたのだが、段々とこれではまるで『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』のようだと感じてきた。

この展覧会が、どのようなきっかけで誰が始めようとしたのか、詳しいことは分からないが、拙者はこれをファミコン時代の人々からの強烈なメッセージではないかと思った。決して懐古の念にひたらせることが目的ではないはずだ。あの時、我々はなぜあんなにも夢中になってゲームをプレイしていたのか。おもしろさとは何だったのか。そして、その対比として現代のゲームを始めとするデジタルコンテンツはどうあるべきなのか。

会場内に整然と並ぶファミコンカセットと、入り口に置いてあった現在発売中および発売予定ゲームのコントラストが非常におもしろく、有意義な展覧会であった。

しかし休日とは言え、1時間待ちになっている東京写真美術館を拙者は一度も見たことがない。普段、写真美術館はおろかガーデンプレイスにも来たことがないような層の取り込みにも成功しているなぁと思った。恐るべし、ファミコン。

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