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『Movable Type 5.1 プロの現場の仕事術』を(大体)読みました
- 2011年8月16日 23:31
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しばらくMovable Typeに触れていなかったので、ブログを再開したことをきっかけに「色々思い出すため本を買おう」と思い立ちまして、選んだのがこれです。
大重美幸『詳細!Progression 4 Flashフレームワーク入門ノート』
- 2010年8月 2日 13:38
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大重さんの新刊『詳細!Progression 4 Flashフレームワーク入門ノート』を読みましたので、紹介記事を書いてみます。
Progressionを始めるときにこの本が欲しかった……!
Progressionを始めるとき、はじめに恩恵を受けるであろう「シーン」という独自の概念を理解することが最初の壁と言えます。私も、最初にProgressionに触れたときは、個人的に確立してきた手法との違いに戸惑いを覚えた記憶があります。学習したあとで振り返ると、良く作り込まれているフレームワークだからこそシンプルな構造になっていることに気づくのですが、何もない状態から手探りで始めると、ちょっとしたことでつまづいてしまうのです。
ウリのシーン機能を徹底解説
本書は、Progressionの概要や、開発スタイル別の解説、コマンド、キャスト、リソースなど各種機能の紹介をしています。そしてなによりも、最大の特徴であるシーンについて、事細かに解説してるのが嬉しい点なのです。単独、子、孫などのシーン構造(シーンツリー)ごとに具体的なコードを交えて解説(チャプター3)されていたり、シーンの移動とイベントをよく使うケースに分けて書かれていたり(チャプター4)、といったところがオススメポイントです。
同じProgressionを扱った解説書籍として「ProgressionによるFlashコンテンツ開発ガイドブック」もありますが、シーンについては圧倒的に本書の方が詳しく、かつ易しく書かれています。よって、Progressionをこれから始めよう!という人の学習の順番としては、まず本書でシーンやコマンドなどの基本的な概念と機能をしっかり把握したあと、「Progressionによる~」でより細かい機能を学んでいく、というのが良いと思います。つまり、両方買おう!
一家に一冊、大重本
大重さんの本でなにより嬉しいな、と思うのは、書籍専用のサポートサイトがあることです。本書は発売から半月ほど経過しています(ブログに書くのが遅くなってスミマセン!>大重さん)が、さっそく正誤表がアップデートされていますし、関連情報も集約されています。出版社がキッチリと用意するページもよいですが、著者自身がこういうページを設けて読者とコミュニケーションをとる姿はすばらしいな、と思います。
★★★★★
ヘアスプレー
- 2010年5月 5日 05:42
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ゴキゲンでノリノリな60年代ダンスミュージカルムービー!的なキャッチコピーが付きそうな本作。実際のところは、1988年に制作された映画を原作として、2002年に公演されたミュージカルのこれまた再映画化、という複雑な経路を辿っている。アメリカ人の知り合いに言わせると、本作は「毒が足りない!原作はもっとキワドいよ~」とのこと。その辺りも含めて見やすく再パッケージされていると思って間違いない。
ただ、それが悪いかというと、拙者そうでもないと思っている。平日のいつもよりちょっと早く帰れた夜に、シャンパンでも飲みながら、難しいことは考えずに家族と見るには最高!だろう。新人といってもいいキャリアの主役の脇には、がっちり画面を締める豪華な俳優陣が揃っている。ジョン・トラボルタをはじめ、ミシェル・ファイファー、ザック・エフロンなどにも注目して見たい。
★★★★☆
伊坂幸太郎『グラスホッパー』
- 2010年4月16日 07:16
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拙者にとっては初めての伊坂本である。目を丸くしたというかなんというか、やはりこれは売れる小説家なのであるなぁということが一見して分かる。なんたって短い時間の中での出来事を描写する力が半端ない。まるで計算しつくされたカット割りにようにテンポが良い。多分、このまま映像化しても遜色ないんじゃないかしら。まぁそういうわけで映画化が相次いでおるのだと思う。
お話の中身は、殺し屋業界でのいざこざに巻き込まれていく主人公、という流れ。主人公自身は、ただの若い元中学校教師(ただし妻を亡くしている)。そのため感情移入もしやすい。ずらりと出てくる殺し屋たちは少々現実感に欠けるものの、そもそも殺し屋という存在自体が非現実的なものであるからして、意外とすんなりと受け入れられる。ジャック・クリスピンのくだりなどはニヤニヤしながら読んだ。
あと、文庫本の装丁がとてもいい。マット紙全面に彩度を抑えたどこか寂しげな写真。もう一度言うが、とてもいいと思う。
★★★☆☆
家田荘子『歌舞伎町シノギの人々』
- 2010年4月10日 09:31
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川上未映子『そら、頭はでかいです、世界がすこんと入ります』
- 2010年4月 2日 18:54
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著者の川上未映子が、2003~2006年ごろの約3年に渡って綴ったブログ『純粋非性批判』から抜粋した記事に加筆、修正した随筆集(と背表紙では名乗っている)。そうか、ブログというのは随筆集でもあったわけだな。
思えば数多くの、本当に数多くのブログ、古くはテキストサイト、さらに古くはホームページにおける日記などを読み散らかしてきた。その中でも、テキストを読むことの対価としてお金を支払ったことは、数えるほどしかない。たしか、何かの有料メールマガジンがいくつか、というくらい。それでも『電車男』以降、ネット上で読める無料のテキスト群を編集して書籍化、という手法が定着してきて、拙者もそのような本を買い、読むことが増えてきた(例に出しておいてアレだけど、『電車男』はネットで読んだだけ)。優れたコンテンツであれば、著者に対価を支払いたい、という気持ちは自然と芽生えるので、ネットの文献はガンガン書籍化してほしいところだが……。投げ銭にしても、PayPalにしても、アフィリエイトにしても、ネット上のコンテンツに対価を支払う手段としての決定打は出てきていないわけで、KindleやiPadのようなデバイスにはそういう役割が期待されている、というか狙っているのだろうな。
さて、話が大幅にずれたところで本書の感想に戻る。一言でいうとR&Bを感じる。文体のリズムと大阪のブルース。ときおり声を上げて笑ってしまう。母親が角材で父親の膝を砕くくだり(「黄金の雨の中おしっこを漏らす大人」より)なんか、格別なもんで。この話を読みながら乗っていた西武新宿線1号車の室温が2、3度下がったんじゃありませんの、というくらいの戦慄も走りつつ。元気になるなぁ、この本。
★★★★★
小松成美『中田英寿 誇り』
- 2010年4月 1日 00:48
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本書は、サッカー選手中田英寿がどのような経緯で引退を決意し、現役最後の大会となったドイツワールドカップに臨んだのか、本人やその周辺へのインタビューを交えながら記されたノンフィクションだ。ペルージャからボルトンまでの移籍に関する舞台裏の様子や、代表チームで不和が取りざたされた宮本や福西とのやり取りなど、海外移籍から引退に至るまでハイライトが凝縮されている。特にペルージャ時代、ガウチ一族による一連の違法行為によって苦しめられていた下りは、サッカー選手としてのピークを迎えつつある中田のジレンマが手に取るように感じられる。
ひとつだけ気になるのは、著者の視点がずいぶんと中田サイドに偏っているという点だ。本書を書き始めるきっかけが、彼の所属事務所であるサニーサイドアップからの執筆依頼であったとしても、スポーツドキュメントとしては問題を多角的に捉えていくことが必要なのではないか。FIFAも掲げる「Fair Play」精神に欠けているのではないか。現に、サニーサイドアップの社長である次原を始め、中田の周辺にいる人物への取材模様は豊富に文章へ反映されているのだが、中田と対立することになったパルマの元監督であるチェーザレ・プランデッリや、代表のディフェンダー陣への取材は、皆無といっていい。ほとんど中田からの伝え聞きか、報道からの得た情報に落ち着いているのである。
ただ、いずれにしても本書がカズに次ぐ日本サッカー界のスーパースターとなった中田英寿を追った貴重なルポであることは間違いない。
★★★☆☆
鈴木敏夫『仕事道楽 スタジオジブリの現場』
- 2010年1月 6日 11:48
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既刊からの引用がめちゃくちゃ多くてちょっと残念。それにしても、本当にスタジオジブリというプロダクションは、宮崎駿と高畑勲のための場なのだね。これほど世界中に名前が売れているのに、中心人物がいなくなるだけで即解体となるようなプロダクションも他にないだろうね。希有。希有。
そのわりには今年に入ってトヨタの中に新人育成の場を作ったりしていて、よう分からんのだけど。
何度も言うけど引用多すぎなので、星3つで。
★★★☆☆
筒井康隆『パプリカ』
- 2009年11月20日 19:24
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中村俊輔『察知力』
- 2009年10月15日 17:32
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自分より身体能力の高い選手と戦うには、相手よりも先に動き出すこと。そのときに必須なのが、瞬時に状況判断をして正解を導く力だ。それを、中村俊輔は「察知力」と呼ぶ。中村俊輔『察知力』
本書を読むと、中村俊輔というサッカー選手が、努力の固まりのような人であることが改めて分かる。世界で活躍した先人であるカズ(三浦知良)や、中田英寿も、言うまでもなく努力の人ではある。しかし、それに勝るとも劣らない「毎日の反復練習と情報収集、こまめな目標設定と自己反省」を続けている他の選手を、どれだけ頭に思い浮かべることができるだろうか。
思えば、中村俊輔は私にとってあまり好きなプレーヤーではなかった。当時の日本代表監督であったトルシエによって日韓ワールドカップのメンバーから外されたときには、1ミリも残念という気持ちが沸いてこなかった。真ん中でやりたがる割に、屈強なボランチに体を当てられるとすぐに倒れてしまう貧弱なファンタジスタ(の卵)という印象が強かったからだ。また、同じようなポジションで絶対的に信頼を寄せることができる、中田英寿という現役バリバリの一流プレーヤーが存在していることも、やはり中村を不要と感じさせる要因の一つだった。
2000年当時、代表では左サイドばかりで起用されることについて、中村はマリノスの監督であったアルディレスに相談したという。そのときのアルディレスの答えを引用する。
「ベンチで試合を見ていても得るものは何もない。どんなポジションであっても、先発の11人に選ばれて、グラウンドに立つべきだ。」
この言葉と、2002年のワールドカップメンバー落選という挫折を抱えて、彼はイタリアへ渡った。その後の中村俊輔は、見違えるように爆発的な成長を遂げたように思う。トップ下以外の様々なポジションをこなし、必要以上に削られるセリエAのディフェンスをかいくぐる。才能のある日本人選手が、ただ海外に渡るだけで実現できることではない。すべては、自分にとって何が必要なのかを感じ取り、日々の改善を怠らずにひたすら続けてきた者だけが成功を勝ち取る。とてもシンプルなことだが、中村俊輔のプレーを見ているとそれを深く実感できる。
もちろん、前述の「あまり好きなプレーヤーではなかった」という言葉が過去形であることから分かるように、現在はお気に入りのプレーヤーの1人だ。