- 2007年7月14日 00:53
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朝、ホテルで目を覚ますと案の定、大型台風の直撃をテレビニュースが伝えていた。カーテンの隙間から外をのぞいてみると、思ったほどの風でも雨でもないようだ。
しかし、予想に反してJR全線が朝6時から運転を見合わせており、当面（と窓口のオッサンは言っていたが、今日はずっと動かないだろう）は電車も動かないようだ。仕方ないのでタクシーで移動することにした。
タクシーは最近になってからようやく開通したという高速道路を、本降りになってきた雨の中ひた走る。対向車線を除いて車は一台も走っていない。誰がこの道路を必要としていたのか不思議な気持ちになったが、まったくどうでもいいことだ。
そのとき、先ほどまで天気の話をしていたタクシーの運転手の手が、ハンドルを大きく切った。車体に振動が起こる。腰のあたりから不快な汗がどくどくと流れ出たのがわかった。どうやら車の横側が中央分離帯にかすったようだ。まったく、ついてない。いや、台風が降らす雨の中、時速80km以上のスピードで高速道路の中央分離帯にかすっておきながら、タクシー運転手の熟練したドライビングテクニックで運良く車体を揺らすだけで助かった、と言うべきか。
とにかくこのあと母親や従兄弟や叔母や祖母に合わせる顔が強ばりそうだったので、あえて運転手に対して苦言を申し述べることは避けたのであった。
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