村上龍『eメールの達人になる』

O田さんに借りて読了。メールの書き方をはじめ、IT関係の実用書は発売から1年も経つと内容が古くなってしまってまったく役に立たないことが多い。しかし、本書は2001年発売から5年近くが経過しているにもかかわらず、今でも通用する内容になっている。

それは、eメールを情報伝達のメディアとして適切に利用するには、どういう心構えでおればよいのか、という「姿勢」を語っているからだ。eメールやインターネットなどの「技術」にとらわれるのではなく、また名の売れた作家という立場で語るのではなく、一ユーザーとして真摯にeメールに取り組んでいる様に好感。

ただし、本書を隅から隅まで読んで、同じ事を実践してもすぐに達人にはなれないのは明白である。大事なのは受け取る相手を想像すること。そして、その相手に的確に物事を伝えるよう努力し続けることなのだ。つまり「読んでも達人になれない!」「薄い内容だ!」なんて批判することはあまり意味がないことと言えよう。

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