福田和也『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』

どこかの書評で褒められていたのを見て購入、読了。文庫サイズで持ち運びやすく、ちょっとした打ち合わせの行き帰りで読み切れるくらいであった。

本書の"書く"ための施策に共感するところはあるが、それよりも注目したいのは"書き続ける"ための施策だ。日常的に文章を書かない人が、瞬発力を発揮してふだんから溜め込んでいることを一気に書き上げる、というのは案外すんなりといくもの。ただ、一定量を年中書き続ける、となると、簡単にはいかない。これは、某誌で連載をやらせていただくことになってから、とても強く実感している。

そんなときは、本書の「途中で書けなくなってしまった時」「一応、机に座っていること」などの項が、事態を展開させるのに役立つことだろう。仮に直接的な解にならなかったとしても、同じような問題に立ち向かっている人がいることを思えば、いくらか気が楽になるというものだ。

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